「生理を、仕事にする。〜台湾の生理を変えた女性起業家たち〜」
¥ 2,750 税込
いま、台湾は生理用品先進国!
かつては使い捨てナプキンが主流で、生理の話がタブー視されていた台湾。しかし、今ではタンポン、月経カップ、最新の月経ディスク、高機能繊維を使った吸水ショーツなど、多様な生理用品が開発され、販売されています。これらのアイテムは台湾国内にとどまらず、日本を含む多くの国々で注目されるようになりました。
この変化の背景には、生理用品の開発に情熱を注いだ女性起業家たちの存在があります。彼女たちは「自分が欲しいものを自分で作る」ことで、多くの女性たちに新たな選択肢を与え、さらに月経に対する考え方や文化そのものを変革していきました。本書は、そんな台湾の生理革命の軌跡をたどる一冊です。
台湾の生理用品市場の変遷
台湾の生理用品市場は、1980年代から使い捨てナプキンが主流となり、タンポンの普及は遅れていました。生理に関する話題は公にされることが少なく、ドラッグストアでも生理用品は目立たないように陳列されていました。
2005年頃、アプリケーター付きタンポンの販売が禁止されていたため、一部の女性たちは海外旅行の際、トランクいっぱいに購入して持ち帰りました。その後、環境保護の観点から布ナプキンが注目されましたが、実は多くの女性が従来のナプキンによるムレやかぶれに悩んでいたことも明らかになりました。
女性起業家たちの挑戦
2010年、のちに「台湾生理の母」と呼ばれたヴァネッサが台湾初のアプリケーター付きタンポンを発売。ついに台湾でもタンポンが自由に購入できるようになりました。その後、2015年には台湾製の月経カップ、フルムーンガールがクラウドファンディングを通じて誕生。2017年には正式に販売され、ジェンダー平等や女性の権利についての議論が活発化しました。
2018年には台湾初の生理用吸水ショーツ、ムーンパンツが発売され、わずか3日で3,500枚を売り上げました。その後、香港や日本にも進出し、台湾の生理用品市場が国際的に認知されるきっかけとなりました。
台湾の生理文化を変えた女性たち
台湾では長らく生理は「けがれ」「隠すもの」とされてきました。しかしタンポンブランド「KiraKira」を立ち上げたヴァネッサ、そして「GoMoond」のフィオナとユアンイー、本書に登場する彼女たちは自分の快適な生活のために立ち上がり、また、たくさんのファンの声を聞き、一緒にビジネスで成長してきたのです。そして女性の声が反映された製品は、台湾の生理市場そのものを改革してきました。
さらに彼女たちは市場を変えただけでなく、月経教育の推進にも貢献しました。少女たちが正しい知識を身につけることで、より快適で自由な人生を歩めるよう、実際に学校で講義をしたり、さまざまなイベントや啓発活動なども行っています。
2022年、台湾に世界初の「月経博物館」が誕生し、東アジアで随一のジェンダー先進国としての発展を象徴する存在となりました。
今後も新たな製品開発や、月経教育のさらなる普及が進むでしょう。しかし、経済的な格差や根強く残る男尊女卑的価値観の影響により、新しい生理用品がすべての女性に届いているわけではないという課題も残されています。
本書は、台湾の生理用品の歴史と、その変革の過程を描いた一冊です。台湾の女性たちが築き上げた生理革命の軌跡を、あなたも一緒に目撃しませんか?
ajuma books はシスターフッドの出版社です。
アジュマは韓国語で中高年女性を示す言葉。美しい響ですよね。
たくさんのアジュマ(未来のアジュマも含めて!)の声を届けられたらという思いではじめました。
アジュマブックスのロゴは、急いで書いた手書きの猫。
これは放浪の民ホボがサバイブするために残した記号の一つです。
意味は「親切な女性が住んでいる家」
アジュマと猫は最強の組み合わせですよね。
柔らかで最強な読書の時間を深められる 物語を紡いでいきます。
書きたい人、作りたい人、大歓迎です。
一緒にシスターフッドの世界、つくっていきましょう。
ajuma books 代表 北原みのり