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ディルドの世界〜挿入の楽しさが広がるディルドの使い方、目的別の選び方を徹底分析!〜

ディルドの世界〜挿入の楽しさが広がるディルドの使い方、目的別の選び方を徹底分析!〜

ディルド、使っていますか?

最近、ラブピースクラブにはディルドのお問い合わせが増えています。

パートナーとのセックスに向け「挿入の練習をしたい」という方もいれば、病気や年齢などで腟萎縮を実感している方から「腟拡張に使いたい」という声、また純粋にプレジャーとして楽しみたいという方もいます。


女性のプレジャーグッズは、バイブとディルド、大きく2つに分けられます。

バイブは、振動や吸引でクリトリスを直接刺激します。クリトリスだけでなく、腟の中にある「Gスポット」を振動によって刺激するタイプのものもあります。

一方ディルドは、挿入する目的でつくられた非振動型プレジャーグッズです。日本語では「はりがた」と呼ばれ、多くはペニスに似た形をしています。


ディルドは古来から、様々な地域、文化で使われてきました。

紀元前の遺跡から石や木や動物の骨などでつくられたディルドが発掘されたり、インドの「カーマ・スートラ」(紀元前400〜紀元200年頃)にもディルドについて記されており、男性が女性を満足させられないときはディルドを腰にまきつけて使おう! などというアドバイスがあったり・・・様々な地域、時代でディルドは女性のプレジャーに深く関わってきました。



日本では、江戸時代に描かれた春画に、女性たちがはりがたを使ってマスターベーションする姿が描かれています。実際にどれほどの女性が当時そのようなものを所持していたのかはわかっていませんが、男性器を模したはりがたには、夫婦円満、子宝祈願のような意味もあったそうです。素材も、鼈甲(べっこう)や翡翠(ひすい)といった美術品に使われるような貴重なものが使用されていたり、美術工芸品としても重宝されていたと言われています。


ディルドが女性たちの「権利」という文脈で注目を浴びるのは、1970年代の性革命とウーマンリブがきっかけです。

「自分の身体のことは自分で決める」

自分の身体のことすら決定権をもつことができなかった女性たちの強い闘いの声が、アメリカの性文化を大きく変えていきました。



この時代、フェミニストが運営するセックスグッズショップが登場し、女性たちがつくるディルドが登場するようになりました。

女性たちがつくるディルドは、それまで男根の形しかしていなかったディルドとは一線を画し、色や形などが女性のファンタジーを具現化するものとなったのです。それは時にイルカの形をしていたり、ヘビの形をしていたり、小さな拳の形をしていたり、ユニークなディルドが次々につくられていったのです。それは後世の人が見たら、もしかしたらディルドだと認識されないのではないかと思うほど・・・男性器とはかけ離れた形をしています。たぶんそれは、女性たちの「私たちは男性器がほしいわけではない。入れたいものを入れたいときに入れたいように入れるのだ」という、そんな軽やかな宣言のようにも見えるのです。

ラブピースクラブで初めて売り出したディルド「シャクティ」。
フェミニストアーティストがつくっていたハンドメイドのディルドです。

今はもう作られていませんが、ラブピースクラブショールームに飾っています。



【腟の中って、気持ちいい?】

女性は腟に何かを入れただけ、で感じるわけではありません。腟壁に性感帯はなく、腟の中に神経が張り巡らされているわけではないからです。特に腟の奥の方にいくほど「感じない」のが一般的です。感じないからこそ、月経カップや月経ディスクを腟の中に入れることができます。


それでも腟の中で刺激を感じやすい箇所があります。それがいわゆるGスポットといわれる箇所です。これはクリトリスの脚と関わる部分で、クリトリスの根が腟をまたぐようにしているため、感じやすい場所といわれています。
腟の壁に性感帯は全くないのですが、以下の図のように、腟をまたぐようにおおっているクリトリスは腟の感じやすさに影響を強く与えています。特に前庭球はクリトリスの脚と連続するように存在していて、クリトリスの刺激によって血液が充血して、腟のうるおいや快感をひきおこします。前庭球が勃起すると腟口が狭くなり、また腟の感度が高まるとも言われています。「入れただけ」ではなく、あくまでクリトリスへの丁寧な刺激によって、腟入り口付近、そしてGスポットのある腟奥が感じやすくなります。


ディルドは十分に濡れた、すでに準備できた腟の中に入れることによって、内側からクリトリスを刺激し、勃起した前庭球によって狭くなった腟口の快感をより深くします。それはクリトリスへの直接的な刺激とは少し違う、深い充足感のあるプレジャーです。



【ディルドの選び方】


ディルドはただ「ペニスの代用」というものではありません。今の時代、ディルドはペニスの形をしているというよりは、自分の好きな大きさ、形、色、硬さなどを「選べる」ものです。

2000年代のアメリカの伝説的なTVドラマ「SEX AND THE CITY」で、セックスに積極的なサマンサが大好きな男性と初めてセックスした後に、激しく絶望するシーンが描かれていました。男性のペニスのサイズが小さかったのです。サマンサは、愛でサイズを乗り越えようと努力しますが、結局そういう努力は自分には向かない、と男性との関係を諦めます。女性が男性のペニスのサイズについてテレビドラマで語るのは、当時としては相当に珍しかったことですが(今でもですね)、男性にサイズがあるように、女性にもクリトリスのサイズや腟の大きさがあります。自分の好きな大きさや形、角度、触感など、自分の腟にぴったりなプレジャーを探りあてることができるディルドは、私たちのプレジャーの可能性をより深めてくれるものでしょう。


とはいっても、最初から自分にぴったりのディルドを探すのは難しいものです。また男性とのセックスの経験がなかったり少ないと、どういう形を入れるのが良いのか、自分でもわからないことがあります。そこでディルドの選び方についてご紹介します。


1:素材で選ぶ

ラブピースクラブでは、シリコンを中心に、ガラスや石、ステンレスなど様々な素材のディルドをご紹介しています。

シリコンは医療用レベルのシリコンを使っています。シリコンのよいところは、ほぼ半永久的に使い続けられること。弾力性があり、硬さを感じ、挿入の感覚をしっかり楽しめることです。またシリコンにも様々な種類があります。硬めだったり、表面が「表皮」のようにプニプニとつまめたり、形状記憶のような芯が入っていたりなど、メーカーによって違います。

ガラスはパイレーツガラスを使っていて、強度があり、またレンジであたためたり、冷水で冷やしたりなどして温度を楽しむことができます。パイレーツガラスのディルドをレンジであたため、腟マッサージにお使いいただく方も増えています。

*ラブピースクラブ歴代人気シリコンディルドたち!



2:形やサイズで選ぶ

ラブピースクラブのディルドは、ペニスのリアルな形を求めたい人、ペニスの形からできるだけ離れたい人など様々なご希望にあわせ、多種多様なものを揃えています。

「リアル系」のディルドは主にアメリカ製を中心に、レズビアンやFTMがつくるハンドメイドのものを扱っています。このタイプのディルドは、「皮」を模した触感や、あえて包茎のペニスのような形をしていたりなど、リアルなペニスの形や質感の再現にこだわっています。

また、ペニスの形とは全く違う色や形のディルドも多数扱っています。基本的には腟の形に合うものですが、先端が曲がっていてGスポットを刺激しやすいようになっていたり、先端が細くなっていたり、またはカーブがついていたりなど、ペニスにはあり得ない形だけれど腟にとっては心地良いフォルムです。

サイズは、一般的には直径25mm〜30mmほどが「入れやすい」とされています。腟の長さからは80mm〜130mmくらいが無理のない長さと考えられています。より深い挿入の満足度を得たい方用に大きめのサイズも扱っています。


3:目的と機能で選ぶ

【双頭ディルド】

女性どうしのカップルに人気の双頭ディルド。

お互いに挿入セックスに慣れているカップルに向いています。

一人が短い方を入れ、自分からディルドが生えているようにして使います。

真ん中部分が凹凸になっていて、動くたびに装着している側のクリトリスが刺激され、ディルドと自分の快感が一体になるようなふしぎな感覚を味わえます。



*人気の双頭ディルド「ダブルタンゴ



【吸盤ディルド】

シリコンディルドの土台が吸盤になっているタイプのディルドは、ガラスやタイルやプラスチックの壁や床に吸盤のようにつけられます。

床につけて「乗る」ようにして使ったり、壁につけてバックからの感覚を楽しんだりなど、「入れる」感覚を最大限に楽しめます。



*しっかりとした吸盤が安定感のあるディルド「ベイ


【ハーネスに装着する】

ディルドをハーネスにつけることで、より激しく、より自在にディルドセックスを楽しめます。男性とセックスする女性がハーネスをつけて、男性のアナルへの挿入などに使うこともあります。

ハーネスが1つあるととても便利です。一般的はハーネスは、一般的なサイズのディルドに対応するようにつくられているので、様々なディルドをつけかえて楽しむことができます。

ディルドはシリコンでできていて重量感があるので、しっかりと腰に固定され、ずれない上質なハーネスが必要です。少し前まではレザーでできたハーネスが一番固定感があると言われていましたが、洗いにくいこともあり、最近は布製のハーネスが主流になっています。



*人気のデニム・ハーネス。様々なウエストやヒップのサイズに対応できます。ハーネスの肝は金具です。激しい動きでもずれずにしっかりと固定できる軽いハーネスを厳選しています。また、肌に直接触れるので肌を傷めないような細かな気遣いのあるハーネスを選んでいます。


【マッサージとして使う】

腟は加齢やホルモン治療などで萎縮します。また、粘膜が薄くなり乾きやすくもなります。とても自然な加齢状態ではありますが、しかし、腟の中のうるおいを保つことで、子宮脱の予防、尿もれの防止など、セクシュアルヘルスの向上になることがわかっています。また、腟を保湿することで、腟内の常在菌の状態を正常に保つこともできます。グリグリと腟の中をマッサージする必要はありませんが、保湿し血行をよくするためにディルドでのマッサージはおすすめです。

特にパイレーツガラスのディルドは、レンジであたためて使うこともできます。温かいディルドを入れて腟の血行をよくしたり、またディルドに保湿ローションをつけて腟を保湿するスティックとしても使えます。

最近は、ダイレーターという腟を拡張するアイテムも人気があります。腟萎縮に悩んでいる方は細めのディルドから少しずつ太いものを入れていくなどすると無理なく腟を拡張していけます。




セシーは500wのレンジで5秒〜あたためるだけで温度が持続し、腟の中のマッサージとしてとても快適です。どちらの端から入れても大丈夫です。


【パスグッズとしても】

男性として生きている方にとって、ディルドは日常生活と性生活を支える大切なアイテムです。ラブピースクラブは当事者がつくるディルドを様々取り扱っています。立ちション用のディルドには、包茎タイプのものなどもあり、手術をしていないFTMが求めるリアルを追求しています。

コチラからご参照下さい


【まとめ】

ラブピースクラブは、1996年に創業しました。当時、「ディルド」という言葉は、ほとんどの人が知りませんでした。ディルド、日本語でははりがたですが、そうするとペニスを模したもの、というイメージがあまりに強いため、迷いながらも「ディルド」という言葉を使いました。そしてハーネスセックスを本格的に紹介していきました。女性の身体に安心して使えるディルドと、しっかりと機能的なハーネスを日本で最初に紹介したのはラブピースクラブでした。

30年前も良いシリコンディルドはありましたが、今はよりリアルさにこだわったり、耐熱ガラスのディルドがつくられたりと、より幅広く選択肢が増えています。

バイブと違ってわかりやすいオーガズムを得られるものではありませんが、女性が自分の身体、腟を知り、楽しみ、セックスやセルフプレジャーの幅がぐんと広がるのがディルドです。ケアアイテムとしても使われはじめたディルドは、これからもますます女性のセクシュアルウエルネスを支える大切なアイテムになっていくことでしょう。


ラブピースクラブのオススメのディルドはこちらからご覧いただけます。